コラム 2021/07/01 15:41:11

署名とサインの違いは?英語表記や筆記体での法的効力の有無なども徹底解説

「署名とサインの違いは?」「サインに法的効力はあるの?」

日常生活の様々な場面で求められる「署名」と「サイン」。同じような言葉ですが、それぞれにどんな違いがあるのか知らない人も多いのではないでしょうか。

 

そこで、この記事では署名とサイン、また署名と似た言葉の記名の意味や違いを徹底解説します!

この記事を読めば、日常生活の契約書や領収書を書く際に「この場合は署名?サイン?」といような疑問がなくなり、書類関係をスムーズにできますよ。

署名とサインの違いが気になる人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

【この記事で分かること】

・署名とサインの違い
・署名とサイン、記名の法的効力について

結論:署名とサインの違いは細かなニュアンスのみ

person in orange long sleeve shirt writing on white paper

結論、署名とサインは本質的な意味に大差はなく、細かなニュアンスのみの違いとなっています。

署名とサインにはどちらとも「自分の手で自分の名前を書く」という意味があり、署名は法的書類などの厳かな場面で、サインはクレジットカードの支払いなどフランクな場面で使われるのが一般的です。

 

どちらの言葉も、本質的には「自分の名前を自分で記入する」という意味になるため、法的書類などの厳かな場面で「サインをください」と言っても良いですし、クレジットカードの支払いなどフランクな場面で「署名をお願いします」と言っても問題ありません。

そのため、本質的な意味は同じで、細かなニュアンスの問題であることをまずは理解してください。

署名とは?

man writing on paper

ここからは、署名とサインをそれぞれ深堀りしていきましょう。

まず署名ですが、

文書に自分の姓名を書きしるすこと。また、その書きしるしたもの。サイン。法律上は、自署または自署捺印なついんを原則とするが、商法や会社法においては記名押印でもよいとされる。手形法・小切手法でも同様であるが、記名捺印の語が用いられる。

引用:広辞苑

広辞苑ではこのように定義されており「自分で自分の名前を直接書き記すこと」を指しています。

 

また、広辞苑にも「署名=サイン」という文があるので、本質的な意味は同じということですね。

署名は法的に「自署」と呼ばれ、法的効力も高く、あらゆる法律上や契約上の書面で有効です。

署名と記名の違い

署名と似た言葉に「記名」というものがあります。

どちらも自分の名前を記すという面では同じですが、過程や法的効力が少し異なるので注意しましょう。

 

①氏名をしるすこと。署名。
②〔法〕署名と区別し、他人が代わって書いたり、印刷したり、ゴム印を押したりして氏名をしるすこと。

引用:広辞苑

広辞苑ではこのように定義されており、署名は自分の手で直接記さなければいけないのに対し、記名は印刷やゴム印でも認められています。

法的効力は自署である「署名」の方が高いので、法的な書類には記名ではなく署名を求められることも多いでしょう。

【署名と記名の違い】

署名:自分の手で自分の名前を記す、法的効力は記名よりも高い
記名:自分の名前を記す手段は印刷やゴム印でも良い、法的効力は署名よりも低い

サインとは?

person writing on white paper

先述したように、サインの本質的な意味は署名と変わりません。

署名。「書類に―する」

引用:広辞苑

広辞苑でもこのように記載されているので、署名と同じ意味で使って良いことが分かります。

 

とはいえ、日本で「サイン」という言葉は署名よりもフランクな意味で使われることが多いのも事実。

例えば、クレジットカードの決済時にサインを求められたり、タレントや芸能人に「サインをください!」と言う場合などが挙げられます。

意味は同じでも、芸能人に対して「〇〇さん!これに署名してください!」なんて言うと「何かの契約書?」と求められた側はびっくりしてしまうでしょう。

 

また、署名はしっかりした文字で書く、サインは筆記体など崩れていてもOKという認識をしている人も多いのではないでしょうか。

結論、署名も自署であることが証明できれば良いので、英語で書いたり筆記体などの崩れた表記になってしても問題ありません。

欧米ではサインを筆記体で書く文化があるので「サインは崩したもの」という風潮がありますが、逆に日本語のしっかりした文字でサインを書いても何の問題もないのです。

サインは法廷書類で有効

また、署名とサインは同じ意味なので、法廷書類でも有効とされています。

 

先述したように、署名もサインも「自署である」ことが重要視されており、筆記体や自分にしか読めないような崩した表記になっていても、自署であることが認められれば法的に有効です。

 

しかし、いくら法的に有効であっても、契約書に読めないような崩した表記をするのはビジネスマナー的に微妙ですし、あまりにも崩した表記にすると自署であることが認められないケースもあります。

 

崩したり筆記体で署名をするのは個人の自由ですが、TPOを弁えることも大切です。

まとめ:署名とサインは言葉の違いのみで意味に大差はない

今回は署名とサイン、記名の違いについて解説しました。

まとめ

・署名とサインに本質的な意味の違いはない
・崩した表記のサインでも、自署と認められれば法的に有効
・記名は印刷やゴム印でも可能だが、署名やサインよりも法的効力は弱い

署名とサインの意味は、本質的には同じです。
日本人でも自分だけの崩したサインを使っている人も多く、言葉としての署名とサインの使われ方の差異も小さくなっていくでしょう。
本質的な意味は変わらないので、署名とサインで混乱しないようにしてくださいね。
smartentaで寄稿を行っています。 ネットセキュリティやネット問題を中心に執筆。 使用しているpcはwindowsですが、最近macに切り替えようか検討中。
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