【保存版】ソーシャルストーカーの違法性や対処法を徹底解説
近年では、テクノロジーの進歩により私たちは簡単にインターネットを通して数多くの人と知り合ったり、メッセージや写真を共有することが出来るようになりました。
しかし一方で、その便利な機能を犯罪に使う人が増えているのも事実です。
今回は、「ソーシャルストーカー」と呼ばれる私たちの生活に身近に潜んでいる犯罪がどんなものか、その犯罪から自分の身を守る方法を解説していきます。
ソーシャルストーカーとは
ソーシャルストーカーとは、インターネットのSNSやブログやメールなどを利用し、ある特定の人物につきまとって不安や恐怖心を与え続ける巧妙なストーキング行為です。
ソーシャルストーカーは、相手の身の回りを付きまとったり押しかけたりする物理的なストーカーとは手法が異なります。
ソーシャルストーカーはインターネット上の情報を用いてストーカー行為を行うため、普通のストーカーと違い、相手が何処にいても何をしている時でも、しつこくつきまってストレスを与え続けることが可能です。
こうしたことから目に見えない『サイバー犯罪』とも考えられて、現代社会で暮らしている私たち全てが気をつけなけばならない問題と注視されています。
ソーシャルストーカーの行う行為
ソーシャルストーカーは、インターネット上で執拗に嫌がらせをします。
知っていただきたいのは、ソーシャルストーカーの手法はワンパターンではなく、形を変えて何度もつきまとってくるということです。
これから取り上げますが、誹謗中傷や個人情報の流失もその行為の一部です。
ソーシャルストーカーが使う手法を知っておき、対策しておくならインターネットを安全にかつ、賢く用いることが出来るでしょう。
一方的に好意を持ちコメントやメッセージを執拗に送ってくる
今の時代は自分が知りたいと思う相手のプロフィールを、簡単にインターネットで見つけることが出来ます。
インスタグラムやTwitter、ブログなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)を通して、相手のプロフィールを知るのです。
例えば、多くの芸能人は、ファンとの交流のために自分の情報をいくらか公開しています。
多くのファンは、憧れの芸能人がより身近な存在になった感覚になり喜びますが、その一方で自分の個人的な好意を押し付けたりするファンも少なくありません。
もちろん芸能人に限った事ではなく、SNSを利用している人は、誰でも被害に会う可能性があります。
インターネットで公開されている情報を元に相手に恋愛感情を抱き、「好意を伝えたい」という気持ちが加速すると、インターネット上のストーカー行為へと変化してしまう場合があるのです。
誹謗中傷を書き込まれる
SNS上では匿名で自由に意見を書き込めますが、相手の悪口であったり傷つけるような言葉を書き込まれたり、送り続けられたりするなどの誹謗中傷を受けることがあります。
誹謗中傷をする人は顔が見えないことを利用し、「言葉」という武器で相手の人格を傷つけ、追い詰めることも。
インターネット上では匿名で発信出来るため、対面しては言えないような攻撃的な言葉を使いやすい傾向にあります。
このケースの場合は、男女問わず特定の相手に対して「言葉」という武器でつきまとうことが一般的です。
また、誰かの誹謗中傷の意見に同調することでエスカレートしていき、集団で攻撃するケースに発展してしまうこともあります。
個人情報を特定する
インターネット上で公開しているプロフィールやSNSの投稿内容や投稿日時、位置情報は個人情報を特定する点で沢山のヒントを与えてしまっています。
小さいと思える情報だと思えるとしても、SNSの投稿写真やメッセージを集めていくと、住んでいる場所や、人間関係などに関して多くの情報を与えてしまっているのです。
また最近ではスマホで撮る写真は高解像度になっており、背景に写っている風景や建物からもある程度の情報が得られます。
SNSの文章に具体的な場所の名前を書き込むのも、生活圏を特定される要因なので注意してください。
これらの情報によって個人情報を特定される恐れがあるため、不用意に投稿することは非常に危険だと言えるでしょう。
ソーシャルストーカーの違法性は?
ソーシャルストーカーが現代社会で後を絶たないことから、『ストーカー規制法』が改正されました。
『ストーカー規制法』は、物理的なつきまといや待ち伏せなどのストーカー行為の他に、新たにSNSでのつきまといや誹謗中傷などの迷惑行為も規制対象とみなし、罰則を強化したものです。
具体的には、LINEやFacebook、Twitterなどにメッセージを執拗に送信や、SNSのダイレクトメッセージなど個人的なコメントも規制対象として扱われるようになりました。
また、2017年からはストーカー行為が非親告罪になり、被害届がなくても取り締まりが出来るように。
『ストーカー規制法』の改正により、インターネット上でつきまといをされて不安を覚えている被害者の申出に応じて、警察側は被害者の安全を確保することや加害者に対して警告するようにするなどの具体的な取り締まりを行うようになりました。
ソーシャルストーカーの被害者にならないためのポイント
ソーシャルストーカーは私たちの身の回りに潜んでいる身近な犯罪です。
とは言っても、その被害を完全に防げないというわけではありません。
ソーシャルストーカーの被害者にならないために、自分で出来ることは簡単なことばかりです。
具体的には、インターネット上で自分の「隙」を見せないことです。
では、どのようにすれば「隙」を見せないことになるのでしょうか。
ここからはストーカー被害に遭わないためにポイントを取り上げます。
SNS上に個人情報を書き込まない
SNS上では、名前や住所、顔写真などの個人情報を公開することが出来ます。
そのような情報は載せないとしても、SNSでの投稿写真から個人情報を特定される恐れがあり、SNSで地元の写真を投稿して住所が特定されるケースも少なくありません。
はっきりと写っていなくても、周りの景色や建物で場所を特定されることもあり得ます。
そのため、SNSで不特定多数の人に写真を共有する場合は、どこでどのように写真を撮るかということを考えながら賢くSNS使いましょう。
学生であるなら通っている学校がわかるような制服や、特定の地名や場所をタグ付けをすることも個人を特定する材料になるので注意が必要です。
アカウントに鍵をかける
SNSでは、自分が許可した人にしか投稿が見られないようにする「鍵」をつける機能があります。
アカウントに鍵をしないと、不特定多数の人に自分の情報を公開することに。
有名人であるなら、自分の投稿をファンが見れるようにあえて鍵をつけないようにしている人が多いですが、一般人なら知人にだけ公開するように制限をかけている方が、安全性は大幅に高まります。
鍵をかけないなら、自ら進んで顔も知らない人たちに個人情報を公開していることになるのです。
しかし、有名人でなくても今は様々な職種でSNSを使うことが多くなっています。
事情によりアカウントに鍵をかけられない場合は、公開する写真や内容に細心の注意を払うよう心掛けましょう。
発信する内容に気をつける
SNS上を、自分の感情を好きなだけ発散出来る場所と勘違いしてはいけません。
SNS上で投稿した文章を読んだ人がどんな気持ちになるか考えて、注意深く投稿する必要があります。
SNS上の言葉は、読んだ人の心に残ることを忘れないようにしましょう。
もしSNS上で特定の人物や団体に対しての嫌悪感や不満などを発言してしまったり、批判するなどしたら、その発言が火種となりトラブルになってしまいます。
そのような負の発言はストレスの発散どころか、SNS上に敵を作ってしまう原因になりますし、さらにそこからエスカレートしていきソーシャルストーカーを生み出してつきまとわれることにもなり得ます。
実生活でも発言を避けた方が良いと思われる言葉は、SNS上でも控えましょう。
ソーシャルストーカーに遭った時の対処法は?
ネット上でのストーカー行為に対して、まずははっきりと「やめて欲しい」「もう二度と連絡してこないで欲しい」「警察に訴える」など、毅然とした態度で拒否の姿勢を示すことが大切です。
拒否したにもかかわらず、その後もストーカー行為を続けてくるようであれば、ストーカー規制法に基づいて警察が警告や禁止命令を出しやすくなります。
ソーシャルストーカー被害に遭ったという証拠を残すために、日時や内容等は忘れずに記録・保存しておきましょう。
拒否の意思表示をしたにも関わらず、ソーシャルストーカーが繰り返されるようであれば、被害が深刻になる前に警察に相談に行くのが最善です。
警察から被害防止のためのアドバイスをもらいましょう。
またソーシャルストーカーの被害は、弁護士に相談することも出来ます。
弁護士は警察のようにソーシャルストーカーを取り締まることは出来ませんが、法的にどのような手段を取ればいいかなどの明確な指示をしてくれることも。
一人で悩まず、早めの行動が賢明です。
まとめ:ソーシャルストーカーに遭う危険性は誰にでもある
SNSやTwitterなどを通して個人の「気になること」や「好きなこと」について誰でも簡単に情報収集出来る便利な時代になりました。
その一方で、SNSの情報から個人情報がいとも簡単に取得出来てしまう危険があるということを決して忘れないようにしましょう。
ソーシャルストーカーは、インターネット上で公開している情報をずっと見ています。
好奇心から好意に変わり、ストーカーへと変わっていくのです。
私たち誰もがソーシャルストーカーに遭う可能性があるということを考えながら、賢くSNSを使っていく必要があります。
インターネット上でも隙を与えないように気をつけていきましょう。